父が娘に語る経済の本を読みました。ビットコインから手をひくタイミングは必要かも

娘にお金って何かと聞かれたので、役に立つかなと思って本棚の本を読み返してみました。

小学校の低学年には説明がちょっと難しかったですが、 自分の理解は深まった気がするので、 ご紹介いたします。

読んだ書籍

ヤニス・バルファキス
父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話

仮想通貨ビットコインについても記載があります

マネーサプライを国家が調整できない点が最大の弱点

国家に紐づかないビットコインのような仮想通貨の最大の弱点は、(中略)危機が起きたときにマネーの流通量を調整できないことにある。
(第7章より抜粋)

2つの問題があると記載されています。

1つ目は、総量が決まっていることで、いわゆるデフレ効果がある点。車やおもちゃなどのものはどんどん増えるのに、ビットコインが増えなければ、ビットコインは相対的に希少になり、物の値段が一律に下がる(ビットコインの価値は上がる)。

2つ目は、発行総量を増やせないため、再膨張(リフレーション)に持っていけないという問題。 コロナショックで各国中央銀行がマネーの流通量を増やす対策をしていましたね。 インフレの懸念はあるけど、流通量で調整できるという点。

確かに、純粋にアルゴリズムだけで固定されていると、そうかも知れない。

さらにこれは、新しい話ではなく、著者の思い込みでもないとの記載もあります。

いま言ったことは、単なる思い込みではない。1929年の金融危機の前後に起きたことが、まさにそうだった。政府はマネーサプライを金の保有量に紐づけていた。これが金本位制だ。金本位制は、ビットコインと同じように通貨と政治の分離を狙ったものだった。イギリス政府は1931年に金本位制を廃止し、ルーズベルト大統領が1933年に市民の金保有を禁じると、やっと聞きが和らいだ。 しかしもちろん、政府や中央銀行がマネーサプライを管理するようになった途端、通貨はふたたび政治と結びつくことになった。

ブロックチェーンの仕組みは便利だと思いますが、通貨としての欠陥ありということですね。

まとめ

ビットコインの価格上昇の味をしめちゃっている状態なので、なかなか心情的に手を引きにくい状況ですが、確かに資本主義の調整の原理の一つが使えないのは、欠陥と考えられます。

次の半減期くらいで盛り上がりを見せる(だろう)タイミングまでにはBTCへの追加投資は辞めようと思います。

株に移行するか、発行上限のないETH(イーサリアム)に移行するか。

仮想通貨という価値の実体がわからないものに過度な期待を持ってしまっている自分に、ブレーキを掛けてくれる書籍となりました。

著者の十代半ばの娘に向けて書かれたということもあって、わかりやすいです。

交換価値(お金で買えるモノ)と経験価値(お金で買えないコト)があると言うのを、最初の方でわかりやすく説明しているところが非常に良いと思いました。

なかなか面白いと思いましたので、ご紹介でした。