「デジタル・ミニマリスト」は、自分の時間の自由を取り戻す哲学

面白い本を読みました。

経済的自由を得た所で、肝心の時間をSNSのノイズに支配されていたらもったいないですよね。

そんな考えを、「デジタル・ミニマリスト」という哲学で語ってくれているのがこの本です。

「デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する」、カル・ニューポート

英語のタイトルはこれです。

Digital Minimalism: Choosing a Focused Life in a Noisy World, Cal Newport

「騒がしい世界の中で、集中した生き方を選ぶこと。」といった感じでしょうかね。

以前紹介したソローの「森の生活 ウォールデン」も随所に紹介されています

kabu-motty.hatenablog.com

なんか話がつながってくるようで、あたり本を選んだ気がします。

FI(経済的自立, Financial Independence)への言及箇所を抜粋

 質の高い余暇活動についての知識を深めるには、いわゆるFIコミュニティをのぞいてみるところから始めるといいだろう。初めて聞いたという人のために簡単に説明すると、FIとは経済的自立の略で、資産から得られる収入だけで生活費をカバーできるような経済状態を指す。退職する年齢までに到達しておきたい目標であるとか、あるいは多額の遺産が入れば到達できるものと考えている人が多いが、近年、インターネットの普及によりFIムーブメントが再燃した結果、若年層を中心に、極端な倹約生活を維持することでこの経済的な自由への近道を探る人々が増えている。  現在のFI2.0ムーブメントが注目される最大のポイントは、その土台となる経済的な概念だが、本書の目的にはあまり関係がない。ここで関係があるのは、経済的自立を達成した若い世代は、質の高い余暇活動とは何かを考える際にとりわけ参考になる事例であることだ。そう主張するには二つの理由がある。第一に、改めて指摘するまでもないことだろうが、経済的自立を達成すると、平均的な人に比べて余暇の時間が圧倒的に増える。第二に、若いうちから経済的自立を目指そうとすると、多くの場合、ライフスタイルをかなり極端に変える必要があるため、人を選ぶということーーつまり、もともと人生をどう生きるかについて、もとよりきわめて意識の高い人しかこれに挑まないということだ。有り余る余暇と意識的な生き方という二つの条件を満たしている彼らは、有益な余暇活動について考えるとき、理想的なモデルとなる。

という感じで、何人かの事例が紹介されていきます。興味がある方は読んでみてください。

ざっくりいうと何かを作り出す・修理するなどの手仕事をするのが高潔な趣味であるとされているようです。

反対に低俗なのは、ニュース・テレビ・SNSから絶え間なく必要でもない情報を仕入れ続けてしまう状態です。

テクノロジーは便利だけど、手仕事を補助するために使うのがいいよというような提案がなされています。

例を上げろと言われたら、料理の作り方をYouTubeで調べて、実際にやってスキルを身につける。こんなのが理想的なテクノロジーの使い方でしょうね。

デジタル・ミニマリストとFIREにどういう関係があるんだと思いましたが、 結局は人生の限られた時間をどんな余暇活動に使っていくかであり、 それを探るコミュニティという位置づけで、FIコミュニティが紹介されています。

なるほど。わたしがこんな記事を書いたのも、その探求で必然的に発生する行動だと理解できます。

kabu-motty.hatenablog.com

どんな話?

Amazonの紹介文はこんな感じです。

やらなきゃいけないことも、やりたいこともたくさんあるのに、SNSがとまらない……。AppleTwitterが巧妙に仕掛ける依存の仕組みに抗うには、もはや一時的なデジタル・デトックスじゃ足りない。これは生き方の問題で、僕らには新しい「哲学」が必要だ。すなわち、デジタル・ミニマリズムスマートフォンSNSから可処分時間/可処分精神を守り、情報の見逃しを怖れず、大切なことを大切にできる思考法=実践法。1600人超を対象に行なった集団実験から導き出されたメソッド――30日間の「デジタル片づけ」を実行し、あなたもデジタル・ミニマリストになろう。テック界の「こんまり」として話題のコンピューター科学者による、ニューヨーク・タイムズ・ベストセラー & Amazonベストブック。

特にFacebookの「いいね!」をメインの例として、説明されています。

デジタル・ミニマリスト

デジタル・ミニマリストは本書で言われるデジタル・ミニマリズムという哲学を体現する人として定義されます。

デジタル・ミニマリズム

自分が重きを置いていることがらにプラスになるか否かを基準に厳選した一握りのツール最適化を図り、オンラインで費やす時間をそれだけに集中して、ほかのものは惜しまず手放すようなテクノロジー利用の哲学。

逆に、デジタル・マキシマリスト的な考え方は以下であるとも書かれています。

新しいテクノロジーが目にとまったとき、それにほんのわずかでもメリットがありそうならとりあえず使ってみようという姿勢

まあ、最初はどれほどの効果があるかなんてわからないのだから、使ってみますよね。それで、厳選できずに惰性で使い続けてしまって、なんかやたら通知であふれるという事態になるのかなと思いました。

なかなか共感できた実践方法としての哲学っぽい話は以下のようなものです。

基本は対面の会話(Facetimeも含む)をベースに交流しましょうという話で、納得です。

それに対して、SNSとの接触をミニマイズする方法として、そういった対面の会話をする人たちとの連絡を取るための手段として活用しよう、とされています。

SNSの「いいね!」だけの関係に、時間を奪われてはいけないと、そんな感じと理解しました。

感想

Facebookは私は登録してないのですけど、TwitterInstagramはてなブログは同じようなものですね。

できる限りうまく利用していきたいと思います。

可処分時間を自由時間、可処分精神を自由な人生ととらえると、経済的自由によって確保した自由な時間をどのように過ごすべきか、というときに、知っておくべきことじゃないかと思いました。

はてなスターFacebookの「いいね!」の一種ですね。

なんとなく義務感で、スターつけるのはやめようと思います。

なるべく、いいと思ったことが相手に伝わるように、「引用スター」をするように心がけてはいますが。

とは言っても、読んでくれたんだなというのがわかるので、抗えない力がありますね。

どうしたものか。