感想OUTPUT:教養としての「金融&ファイナンス」大全 を読んだ感想

こんにちは、株もっちーです。

金曜日は、本などのINPUTした情報に対するOUTPUTをしていきたいと思います。

要するに読書感想文的な活動ですね。

読んだ本:教養としての「金融&ファイナンス」大全, 野崎 浩成 (著)

気づいたこと

金融とファイナンスについて、教科書的に書かれた本です。

体系的にまとまった感じで、勉強になりました。

銀行と証券会社の違いとか、保険会社の業務とか再編、そんな細々と実体験している内容の背景などがわかってよかったです。

フィンテック・BNPLの話や、決済方法(プリペイドQRデビットカード、クレジットカード)の違いと法律の関係などもあって、乱立するサービスの違いを整理して理解できると思います。

楽天Edy楽天ペイ、楽天クレジットカードの違い、理解してますかね?

どれを使っても、結局銀行での決済が必要になるので、銀行はまだ生き残るでしょうというような話もありました。

特に私が興味を持っていたところが「金利」の話でしたので、そこで気になった部分を紹介します。

金利にかかわる四つの学説
  1. 忍耐の対価(ナッソー・ウィリアム・シニア)
    資金を消費することなく第三者に貸し付けることで貸し手はある種の我慢を強いられます。
  2. 時差の表現(オイゲン・フォン・ベーム=バヴェルク)
    将来入手するよりも高く評価されるべき。将来価値の話。
  3. 動態説(ヨーゼフ・シュンペーターによる)
    わかりにくいかもしれませんが、これは自然利子率の発想と同様です。自然利子率は、定量的には投資と貯蓄を均衡させる金利水準を指しますが、「資本の限界生産力」と換言できます。すなわち、資金を投下したことで増加する生産、つまり成長のことです。
  4. 不便さの対価(ケインズ流動性選好説)
    三者に渡すことによって、すぐに使えない不便さや不確実性による不安が生まれます。

今まで、「貸したお金に色つけて返すのが当然でしょ」、というくらいにしか考えていなかったのですが、色々と研究されていたんだなということがわかりました。

特に3番目のどれくらい成長できるか、という観点は、株価の上昇にも反映される考え方でしょうし、定量化しやすそうな気がします。

他のは、我慢の度合いとか、不便の度合い、将来価値って具体的に何?みたいな気もして、イケてない気がします。私の感覚ですけど。

行動したこと

今の米国株の金利上昇は、裏を返すと、「これだけの高金利にするんだから、それだけ高い成長をしなさいよ」と言われていると理解できます。

「いや、流石にそんな高成長は難しいですわ」という借りてが増えれば、金利が下がってくるということなのかもしれません。

日本の低金利は、「そんなに成長しなくていいよ」、というメッセージだとすると、なんか終わってるなとも思います。

日本の貸し手は、我慢もしないし、不便もそんなに感じません、将来成長しなくてもええよ、 そんな感じだとは思わないけど、低金利で借りて、もっと金利高く取れるところに投資していくと、そういうのが賢いお金の使い方なんでしょうか。

まとめ

なかなか教科書的で、難しい本でしたが、良書だと思います。

各章に散りばめられたコラムも、面白かったので、金融・ファイナンスに興味のある方は、ぜひ読んでみるとよいかと思います。