こんにちは、株もっちーです。
金曜日は、本などのINPUTした情報に対するOUTPUTをしていきたいと思います。
要するに読書感想文的な活動ですね。
- 読んだ本:資本主義の次に来る世界, ジェイソン・ヒッケル (著), 野中 香方子 (翻訳)
- 気づいたこと
- 行動したこと
- 過去に資本主義の次に触れた記事・書籍紹介
- AI(ChatGPT4)との雑談
- まとめ
読んだ本:資本主義の次に来る世界, ジェイソン・ヒッケル (著), 野中 香方子 (翻訳)
Less Is More: How Degrowth Will Save the World, Jason Hickel, Kofi Klu, Rupert Read
気づいたこと
経済的自由の探求を続けていく中で、成長からの離脱という要素があることに気づきました。
ダウンシフトという概念を本ブログでも何度か取り上げていますが、それが少し近いのかもしれません。
本書では、「永遠に続く経済成長という資本主義の幻想」という形で今のアメリカ主導の資本主義が続かないということが書かれています。
非常に興味深い。
資本主義は「市場」や「取引」といった馴染みのある平凡な言葉で説明されがちだが、その説明は正確ではない。市場と取引は資本主義が始まる数千年前から存在し、それらに罪はない。資本主義が歴史上の他の経済システムの大半と異なるのは、それが絶え間ない拡大、すなわち「成長」の要求を中心として組織されているからだ。産業の生産と消費は増え続け、国内総生産(GDP)という単位で計測される。成長は資本主義の最優先命令だ。資本主義における生産の増大が目的とするのは、人間のニーズを満たすことでも、社会を向上させることでもなく、利益を引き出し蓄積することだ。
人口が増えれば市場規模が膨れ続けるのも説明がつきそうですが、そのペースが違いますね。 いずれ世界の人口もピークを付けて減少に移行する時が来るのですが、果たして成長し続けることができるのか。
この意味を理解するのは難しいかもしれない。「成長」という概念はとても自然に思えるので、わたしたちは当たり前と見なしがちだ。成長は自然な現象であり、あらゆる生物は成長する。しかし自然界の成長には限界があり、生物はあるところまで成長すると、健全な均衡状態を維持する。成長が止まらないのは、言うなればコーディング・エラーで、がんなどで起きる。細胞が成長そのものを目的として複製し続け、やがて死をもたらすのだ。
成長しているのは一部の富裕層に極端に偏っていて、格差が広がっているというのはご存知の事実。 この資本の偏りが資本主義のガンとでも言えるエラーなんでしょうね。
高所得国は、人々の生活を向上させるために、さらなる成長を必要としない。必要なのは、資本蓄積のためではなく人々の幸福のために、経済を組み立て直すことだ。それに気づけば、わたしたちははるかに自由に、かつ合理的に、考えられるようになる。地球温暖化を1・5℃以下に保ち、生態系の破壊を逆行させるための唯一実行可能な方法は、高所得国が過剰な資源採取とエネルギー利用を減速させることだと、科学者たちははっきり述べている。
大都市に出かけると、エネルギー使いすぎという気はしていますが、やはりそうなんですよね。
資源の消費を減らせば、生態系にかかる圧力が減り、生命の網は、つながりを取り戻すチャンスを得る。併せて、エネルギーの消費を減らせば、より簡単かつ迅速に、つまり数十年ではなく数年ほどで、クリーンエネルギーに移行でき、連鎖反応が始まる危険なティッピングポイントに至らずにすむだろう。どうすればそうできるだろうか。ポスト成長経済では、その一部は効率の向上によって成し遂げられるだろう。
クリーンエネルギーのシェアが伸びないのは、そもそもエネルギーの使用量が増えてしまっているから、化石燃料のエネルギーも増やさざるを得ない、そんなようなことが書かれていました。
これが「脱成長」と呼ばれる概念で、経済と生物界とのバランスを取り戻すために、安全・公正・公平な方法で、エネルギーと資源の過剰消費を計画的に削減することを意味する。脱成長の素晴らしい点は、経済を成長させないまま、貧困を終わらせ、人々をより幸福にし、すべての人に良い生活を保障できることだ。それこそが脱成長の核心である。
経済を成長させない(=GDPを増やさない)ことに対するポジティブな姿勢というか、そういう政治的な動きが必要とされているようです。
成長させるべき部門(クリーンエネルギー、公的医療、公共事業、環境再生型農業など)と、必要性が低いか、生態系を破壊しているので根本的に縮小すべき部門(化石燃料、プライベートジェット、武器、SUV車など)を見極めるべきだ。
投資先としては上記のような成長させるべき部分に絞るのが投資家としても正しい姿に思えてきます。
インデックス投資の問題はGDPと一緒で、成長させるべき部分と縮小すべき部分を区別できないことにあるような気がします。
インデックス投資家は、資本主義の終わりなき成長の片棒を担いでしまっているのかもしれません。
もちろん、ケインズの15時間労働の話も出てきました。
過剰な生産を減速し、不要な労働から人々を解放すれば、週間労働時間を短縮しながら完全雇用を維持し、所得と富をより公平に分配して、国民皆保険制度、教育、手頃な価格の住宅といった重要な公共サービスへのアクセスを拡大できる。第5章で見ていくが、これらの方策が人々の健康と福利に強いプラスの影響を与えることは繰り返し証明されてきた。それらは社会の繁栄のカギであり、経済成長と社会の進歩を切り離すことを可能にする。
労働時間を短くするという方向性は間違っていなさそうですね。
あとはアミニズムという話もたくさん出てきました。自然や宗教に興味を持つのも、まあ生物としては自然な考えなのかもしれません。 さらに、植物にも主体性をもたせるという文化もあるようで、互恵という考え方を理解する必要があります。
行動したこと
インデックス投資をコアにしていてよいのか、という点では実に色々と考えさせられる本でした。
資本主義の成長が止まって、縮小していくときには、もちろんインデックス投資せずに成長させる産業へと個別投資していくのが最適解になるのだと思いますけどね。
いつになるのだろうか。
格差が行き着くところまで行って、富の99%を数人の超超大富豪支配者が牛耳るときに、革命が起きるのかもしれません。
悩ましいところです。
資本主義の成長が限界を迎える時、投資家として何を選択すべきか――今後の社会と市場の行方を注視しつつ、柔軟な視点を持ち続けたいと感じました。
過去に資本主義の次に触れた記事・書籍紹介
こんなにあったとは、自分でも気づかないうちに結構気にしてるんですね。
どれくらい資本主義の格差拡大の波に乗っていいものなのかという視点と、 本書でも触れられていたアミニズム的でエコロージカルな人類の幸福という視点。
バランスが崩れてくる瞬間に立ち会うまで生きてはいないかもしれませんし、すでに始まっているところもあるのかもしれません。
日本のGDPが伸びなくなっているなんて、まさに資本主義的な成長の終焉って感じではありますから。
AI(ChatGPT4)との雑談
質問:
感想をお願いします。
回答:
良かった点
- テーマの深掘り: 本書の核心部分を的確に捉え、引用を交えながら自分の考えを展開されています。「資本主義の成長神話」や「脱成長」の概念を自分の投資スタンスや日常生活と結びつける視点は素晴らしいです。
- 具体的なアクション提案: 「成長させるべき部門への投資」といった行動指針が述べられており、読者にも参考になる内容です。
- 問いかけの形式: 「インデックス投資の限界」や「革命の可能性」など、読者が自分の立場を考えたくなるような問いかけが効果的です。
改善提案
序文の整理: 冒頭部分の「読書感想文的な活動」を少し具体化し、今回のテーマとの関連性を示すと読者がスムーズに入り込めます。例えば、次のように書き換えるのはいかがでしょう?
今回は「成長からの離脱」をテーマにした本をご紹介します。経済的自由を目指す中で、資本主義の持続可能性について考えるきっかけとなる内容です。
引用の工夫: 引用が多く、読み手にとって情報量が多い印象です。一部を要約するか、特に重要な部分を強調(例: ボールドやリスト化)すると、より伝わりやすくなります。
例:
- 成長の限界: 自然界の成長には限界がある → 成長し続ける経済は「がん細胞」に例えられる
- 脱成長の可能性: 成長を追わずとも、人々を幸福にできる新しい経済の姿
投資への影響の掘り下げ:
「成長させるべき部分」と「縮小すべき部分」の区別を明確にしたうえで、実際に投資戦略にどう影響を与えるかを具体的に書けるとさらに面白くなります。例えば:- 「クリーンエネルギーや公共医療分野のETF、あるいはそれらに関連する個別銘柄が候補になり得る。」
- 「これらの分野のリスクとリターンについても考慮が必要。」
終わりのまとめ: 感想文全体を締めくくる一文を追加すると、読者の記憶に残りやすくなります。
例:資本主義の成長が限界を迎える時、投資家として何を選択すべきか――今後の社会と市場の行方を注視しつつ、柔軟な視点を持ち続けたいと感じました。
まとめ
これはなかなかに読み応えのある本でした。
資本主義の成長を信じるのもほどほどにしたほうが良いですね。
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